第1章

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 夏になった頃。 「あおちゃ~ん!」  ピンポンは全部屋壊れてるんで、ドンドン戸を叩きます。 「どしたの?アキちゃん」 「隣でレバー食べよ!貧血だ~!!奢ったげるからさ」  隣に焼き鳥屋があった。  入った事なかったけど、アキちゃんは1人で何度か来てるらしい。 「夏はだめだね~」  そう言ってる痩せてる体が、前より痩せてる気がした。  私も、痩せてるほうだったが筋肉ない。不健康だ。 「アキちゃんは何食べてんの?」 「そばが多い。あと移動でサンドイッチとかかな~」  思いっきり「ゲッ」って顔した私に彼女はあっさり言う。 「だって、夏って食べたくないじゃん?」 「ちゃんと食べなよ~」 「あおちゃんに言われたくない!」  だるいよね~。エアコンて神だよねっていいながら。  2人で焼き鳥とビールで、栄養補給した。ごちです!  秋になる頃。  夕飯を済ませて、そろそろお風呂かな~って思ってたら携帯が鳴った。 「あおちゃん。暇?」 「どしたの?アキちゃん」 「お腹空き過ぎた!!あとちょっとで着くからファミレス行かない?デザート奢るから!!」  おお!デザート!嬉しいかも♪  2人で一番近いファミレスに行った。   「なんかさ~1人で食べたくなかったんだ~」  そう言って、アキちゃんは夜の10時にハンバーグセットをほこほこ食べた。 「え?!だったらなんか作ってあげたのに」    デザートに釣られて、ミニチョコパフェを食べてる自分が言うかって台詞。 「聞いて欲しくってさぁ」  こうやって、私とアキちゃんは何だかわかんない関係になった。  隣人。友人。でいいのだろうけど。  私達には共通な点があった。 『1回会ったくらいで友達って言えるわけないじゃんね』  コレには私も同意だった。  友達って何だよ。っていい事ばっか言ってくれるのを仲間って言って、個性とわがままゴッチャになってきてた。それに私は疲れてた。  アキちゃんは、嫌なものは嫌。筋が通らない事や最低限のルールは大事って言う子だった。たとえば挨拶大事とかね。  見た目とは凄いギャップ。  
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