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10月ボジョレー解禁!
アキちゃんの部屋で3本ボジョレー買って来て、飲んだ。
「そんなに美味しいもんでもないのにね~」
ただお祭りに乗っかるだけの。飲むための理由。
2人で適当に用意して、またいろいろ話した。
実家の話。
多分ほんとに話したのはコレが初めてだったんじゃないか?
お互いいろいろ抱えてた。
それでも、お互い立ってんじゃん!
「あおちゃんは、あおちゃんでいいんよ~」
「それがアキちゃんらしい」
お互いがよく使う言葉だった気がする。
アキちゃんは、仲の良い人や知り合いがたくさんいた。
仕事柄ファンもいた。
なのに・・・・・・私と飲んでる時良くこう言った。
「私達友達でしょって言うのおかしくない?普通友達って思うなら確認しないじゃん。……私ってさ~友達は少ないんだ。適当な人だからさ。友達って程踏み込めないんだよね~長続きしないし」
情が深くて、実はカバンに小説がいつも入ってる活字中毒。
見た目の派手さとはまったく違う、堅物だなって思った。
冬が来て。
私が転職で正月開けに引越しが決まった。
ノリちゃんはこの部屋はすぐ空いちゃうんだよな~。って言ってた。
ロンちゃんは、いつもご馳走様でした。って……それだけかい。
アキちゃんとは最終日。私の部屋で飲んだ。
何の話したか覚えてない。
でも、やっぱり嘘がつけなかった。
「寂しくて、怖いよ」
そう言う私に、アキちゃんは。
「みんなおんなじだよ~。なんかあおちゃんには甘えっぱなしだったね~」
違うよ!!アキちゃんに甘えてたのは私だよ!!
そして、アキちゃんもノリちゃんもロンちゃんも仕事に行ってる中、私は引越しをして新しい仕事に就いた。
――――たった1年にも満たない「コーポ・さい」の生活だった。
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