第1章

6/7
前へ
/7ページ
次へ
 10月ボジョレー解禁!    アキちゃんの部屋で3本ボジョレー買って来て、飲んだ。   「そんなに美味しいもんでもないのにね~」    ただお祭りに乗っかるだけの。飲むための理由。  2人で適当に用意して、またいろいろ話した。  実家の話。  多分ほんとに話したのはコレが初めてだったんじゃないか?  お互いいろいろ抱えてた。  それでも、お互い立ってんじゃん! 「あおちゃんは、あおちゃんでいいんよ~」  「それがアキちゃんらしい」  お互いがよく使う言葉だった気がする。  アキちゃんは、仲の良い人や知り合いがたくさんいた。  仕事柄ファンもいた。  なのに・・・・・・私と飲んでる時良くこう言った。 「私達友達でしょって言うのおかしくない?普通友達って思うなら確認しないじゃん。……私ってさ~友達は少ないんだ。適当な人だからさ。友達って程踏み込めないんだよね~長続きしないし」  情が深くて、実はカバンに小説がいつも入ってる活字中毒。  見た目の派手さとはまったく違う、堅物だなって思った。  冬が来て。  私が転職で正月開けに引越しが決まった。  ノリちゃんはこの部屋はすぐ空いちゃうんだよな~。って言ってた。  ロンちゃんは、いつもご馳走様でした。って……それだけかい。  アキちゃんとは最終日。私の部屋で飲んだ。  何の話したか覚えてない。  でも、やっぱり嘘がつけなかった。 「寂しくて、怖いよ」  そう言う私に、アキちゃんは。 「みんなおんなじだよ~。なんかあおちゃんには甘えっぱなしだったね~」  違うよ!!アキちゃんに甘えてたのは私だよ!!  そして、アキちゃんもノリちゃんもロンちゃんも仕事に行ってる中、私は引越しをして新しい仕事に就いた。  ――――たった1年にも満たない「コーポ・さい」の生活だった。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加