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「あ、あのぁ...おふたりは、同じバイト先で知り合ったんですよね?」
「そうそう」
「いいですね......そういうの、憧れます。
私も、バイト始めようかな......」
「じゃさ、俺らんとこ来たら?今ちょうどバイト募集かけてるし」
「えぇっ!!!いいんですか!?」
「やよいちゃんみたいな可愛い子がバイト入ったら、みんな超やる気でるって。
帰りは美來が送ってくから遅くなっても心配いらねーし」
はいはい、私の帰りの心配はしてないってことね。
「あ、あの......美來さん、は......私が同じバイト先になったら、嫌、ですか?」
やよいは恐る恐る私の顔を窺った。まるで小動物のようだ。
そんな表情で聞かれて、嫌だと答えられる人がいたら見てみたい。
「嫌なわけ、ないじゃない。もちろん、大丈夫だよ」
湊はすっかり浮かれていた。
暫く話をした後、「ご迷惑をおかけしました......」とやよいはお辞儀をして帰って行き、私たちはキスの続きをすることはなかった。
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