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翌日。
バイトを終え、上がり作業のためバックヤードに生ビールの樽を取りに行った私は、またドラマのようなシチュエーションに出くわしてしまった。
「俺、やよいちゃんのことが好きなんだ......」
そう言って、湊がやよいを後ろから抱き締めていた。
私は彼らの後ろに立っているため、気づいていないようだ。
「や、やめて...下さい。湊さんには、美來さんがいるじゃないですか」
「美來には、ちゃんと俺から別れ話する。俺は、やよいちゃんのことが好きなんだ」
「美、美來さんの気持ちも考えて下さいっ!」
やよいは湊の手から逃れ、くるりと躰をこちらへ向けた。
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