可愛い彼女の本心は......

4/31
前へ
/31ページ
次へ
 ほんの少し緊張気味にドアノブに手をかけ、遠慮がちに声を出した。  「はい......」  すると、目の前には180センチの私より恐らく30センチは低いだろうと思われる小柄な女の子が立っていた。  わ、可愛い......  明るい栗色にパッツン前髪、クルンクルンと毛先が肩で踊るように跳ね、溢れそうなほど大きなダークブラウンの瞳。  バサバサと音がしそうなほど長くてボリュームのある睫毛、可愛い小さい鼻、控えめなのにポッテリとしたツヤツヤの唇に赤みのさした頬。  そして、今にも折れてしまいそうな華奢な手足。  まさに男が守ってあげたくなる女の子だ。  春らしい大きな花柄のワンピースを着た女らしいその服装に、Tシャツとジーンズで出てきた私は、これって同じ女子としてどうなのよ......という気持ちになった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加