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それから私たちは、取っている講義がよく重なっていることもあり、一緒に大学へ行くようになった。
ただ、帰りは私が週5で居酒屋でバイトを入れているため、あまり一緒に帰ることはなかった。
親には学費のみしか援助してもらっていないので、生活費を稼ぐのに必死だ。
朝はシリアルとか適当に食べ、昼は学食、夜ご飯はだいたいバイトの賄いで済ませている私をやよいは心配して、時々彼女の家にご飯に呼ばれたりした。
「やよい、こんな可愛くて料理も出来て、なんていったら男がほっとかないでしょ」
「えぇっ、そんなこと...ないです。付き合ったこととか、ありませんし......」
やよいは途端に顔を赤らめた。
私も人のこと言えないけど、相当奥手らしい。
「嘘っ、マジで!?もったいなぁい!!!」
「は、い......美來さんは彼氏いるんですか?」
「うん、まぁ一応ね」
人から湊のことを彼氏と言われることに、擽ったさを感じてしまう。
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