序章

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色とりどりのステンドグラスを通して、朝日が入ってくる。 その光は様々な色に反射し、教会の中を神秘的に映している。 ふと、頭に液体がかかった。 (・・・・っ!) 服の襟から水が入りぞぞっと震えるのを必死にこらえる。 =これであなたは清められた= 大教会の牧師様の仰々しい言葉が頭上から降ってくる。 「汝、神の使いとして生きてゆくことを誓うか」 「「神の助けによって決意します」」 教会に、洗礼を受けた者達の誓いの声が響く。 俺も自分にしか聞こえない程度の音量で誓った。 「・・決意します」 神なんかこれっぽっちも信じてないけど、と心の中で呟く。 教会のパイプオルガンが賛美歌を奏で始め、賛美歌隊の少年たちが祝福の歌を歌う。 こうして、 俺の牧師人生は始まることとなった。
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