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「・・・・・俺と、付いてくるか?それともここで静かに暮らす?」
小鳥は羽ばたき、迷うことなく俺の肩にとまった。クックーとなき俺の頬をつついてくる。
心が温かくなった。
「そっか、よろしくな」
あの村で起こったことは二度と忘れられないほど最悪だった。
でもリリと出会えた。
今まで家族というものがほとんどなかった自分には、リリは太陽のようにも思える輝かしい存在だった。
辛い講義の日々も、悪夢を見て起きてしまう時も、リリとなら平気だった。
心残りや後悔は絶えないが、リリのおかげで、この村に来て悪いことばかりだったとは思わなかった。
「せめて・・・」
せめてこれからはこの子のために教会で静かに暮らそう。
悪魔も人間も何もいない。神聖な教会に引きこもって静かに生きるんだ。
あと、男はなるべく避けて暮らそう
人間は信用できない
今回の事でしっかりと心に刻み付けられた孤独な決意。
俺はそう決心して、
新たな土地へと旅立つのだった。
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