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=...くしゅんっ=
「あ、リリ起きたか」
=うん、ここは?=
目の前のボロ教会がこれからの俺たちの家だとは流石に言えなかった。
「リリ、少し外で散歩してきな、森があったから誰かと友達になれるかも」
=うん!リリおともだち、さがすー!=
元気よく小鳥は飛び出していった。こんな薄気味悪いとこにいるよりはマシだろう。俺はカバンを探り財布を探す。中身を確認したが宿に何日もお世話になれるような金額は入ってなかった。
(教会本部のやつらめ、こんなボロ教会に送りやがって...!!)
今になって馬車の男を思い出した。やつはこのことを知って心配してたのか、なるほど。
「はあ・・・」
さっきまでのわくわくは消え、嫌なほど現実を思い出させられる。そうだ、これが現実。思ったとおりにいかないのが現実だよな・・・。ため息をついた。目を瞑って精神統一をする。
(でも)
今まで、俺一人での生活というのはなかった。
何かしらに縛られ制限されていたが、これからはもう違う。
(俺の教会だ)
俺の、いや、俺とリリの場所。そう思うとこの荒んだ場所も少しは誇らしく思えた。埃っぽいからとかそういう訳ではない。
(よし、余計なことを考える前にやろう。)
自分にやれることを一つずつ。
「掃除、するか!」
俺の牧師としての最初の仕事が始まった。
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