第一章「呪われた教会」

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不思議な感覚だ。今まで俺は早く一人前になりたいと背伸びして生きてきて、やっと歳がその気持ちに追いつけたと思ったのに。18で牧師となり大人としてようやく認められ、見つけた仕事先に行ったら俺はまだ子供だなんて言われるなんて。 「この街のお前と同年代のやつは恋に勉学に遊びに勤しんでるぞー?」 「...平和なとこなんだな」 そうとしか、答えられなかった。憧れてるわけじゃない。俺は今の仕事に環境に満足してる...と思う。ふと悪魔のことがよぎって少し唸る。 「って、そうだった!悪魔!」 「な、なんだ急に?!」 襲いかかる勢いで俺が振り向いたのでかなり驚いているようだ。 「実は、ある情報を探してるんだ。」 「ほう・・・仕事話ってわけか。じゃあまず場所を変えよう。ここじゃ聞かれたくないだろ?」 「そ、そうだな...店の指定は俺がしていいか?」 「いいけど、街に来たの今日だろ?店なんて知ってるのか?」 昼間いったテラス席を思い描く。 「気に行った店があるんだ」 あそこなら静かに話ができるだろう。それにリリも連れて行けるしと思った矢先・・・ 「...」 「...っく、くくく」 後ろでバンが笑いをこらえて腹を押さえている。 「・・・」 俺は道に迷ったわけでも、財布を落としたわけでもない。 ―CLOSE― 「...」 「よ、夜中だからな...くくく!」 俺の肩をドンマイと叩くバン。なんかもう、いろいろ嫌になってきた。もう帰りたい。帰れないけど。 「はあ・・・」 がっくりと肩を落とすと、ぽんぽんと励ますように背中を叩かれた。 「ルトはよくやったよ、こっからはまあ俺に任せな」 「...?」 固く閉められた扉を見て、無理やり開けるのは無理そうだなという考えがよぎった。するとバンは看板を踏み台にして二階の窓に手を伸ばし、どこから出したのかわからないコインで窓を軽く引っ掻いた。それを二回ほど繰り返して看板から降りてくる。 「何やってんだ?猫の真似?」 「まあ、そんなとこだ」 俺たちは猫じゃないぞと言おうとしたらCLOSEと書かれた扉がガチャりと言って開いた。中から若めの男が出てくる。 (歳はバンと同じぐらいか?) 扉を開けながら眠そうにしていたその青年は、俺とバンを見た瞬間、目をカッと見開いた。 「そそその子は!!」 俺はびっくりしてバンの影に隠れそうになる。その様子を笑って見てるバン。
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