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そうか。
どうしてこんなに数が多いのかと思ったらそういう風習があったのか。
(悪魔でもないのにややこしいことしやがって...はあ)
「でもゴロツキ集団なら、教会の大部隊が相手でも土地の利で勝てるかもしれない。悪魔がいれば隠蔽もやりようによっては可能だし...スネーカー・・・当たりだな!」
俺は立ち上がってレストランから出ようとした。すぐに肩を掴まれ引き戻される。
「なんだよ、バン」
「お前、どうするつもりだ?まさかとは思うがスネーカーに」
「...まずは話を聞く」
「は???」
「話を聞いて相談、できたらしたい。あとは悪魔を倒す。」
バンは信じられないというような顔で見てくる。俺は体を捩って肩から手を外そうとするが全く動かない。ほんっと馬鹿力...!
「十年間、殺しを続けてる群れに一人で行って無事に帰れるわけないだろう?それにスネーカーの居場所は?人数は?わかってるのか」
「...。」
バンの言うとおりだが、やっと手に入った情報を試さずにはいられない。この街は呪いの教会以外、設備も雰囲気も素晴らしいし早くも気に入り始めてる。
(バンもシータも、いるし)
だからこそここで暮らしていきたい。
「何を言われても俺は行くよ、バン」
「~~っ、気持ちはわかるが、もう1日待ってくれ!素っ裸で戦地に行かせるようなもんだ...俺がもう少しマシな情報を持ってくる、だから、な?」
「...。」
懇願するようにバンが止めてくる。その必死さにさすがの俺も折れそうだ。
「...はあ、わかったよ。明日の夜までは待つ」
「!!おう!...よし!偉いぞ、ルト!そうと決まれば酒でも飲もう!」
「俺は未成年じゃなかったのか?」
「ハハハ!お前は十分大人だろう?何だ、もしかして飲めないのか」
「馬鹿にするな、飲めるし好きな方だ」
「ほっほー!じゃあ勝負だ!」
バンはさっきの会話を早く打ち消したいのか、珍しくも嘘の笑顔で取り繕って俺をもてなした。しかしそれには気づかないふりをしておく。
呪いの、手がかりが掴めそうということで俺も少し気分がいい。
「のめのめ、ルト!」
「飲んでるようるさいな」
「ハハハ!」
こうして俺たちは、頭の上の小鳥が船をこぐまで飲み明かしたのだった。
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