第一章「呪われた教会」

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「心配、したんだぞ」 バンが怒ってる。 怒られる理由はたくさんありすぎて何も言えない。どうもバンが静かすぎると思ったら、怒るのを堪えてただけだったのか。 「・・・・ごめん、なさい」 きちんとバンの言葉を聞いておけばよかった。今更になって思い知る。それがわかってるからこそこの言葉以外何も言えなかった。俺が思ったよりも静かなのを見てバンも表情を緩める。 「あ!いや、俺こそ...病み上がりに悪かった。痛くないか?日を置いて言おうと思ったんだが、堪えれなかった...」 「うん、痛い」 「ううっ力は抜いたんだが」 「でも」 ――...でも、嬉しい。 鬼教官のように仕事で叱ったわけではない。 バンは、心配して怒ってくれたんだ。 この街に来て散々な思いばかりしてるけど、こんな居場所のあるこの街のことを、嫌いにはなれない。 「けけけ、怒られて嬉しいとかMなのかお前」 「わ!勝手に心を読むなよ!ザク」 俺とザクのやり取りを見ながら、全てを包み込むようにバンが豪快に笑った。 「ハハハ!また飲もうぜ!今度はそこの兄ちゃんも一緒に皆でな!」 こうして、 長い一週間が終わった あれから目立った“呪い”はない ザクの言うとおりだった (悪魔の姿も見えない) 俺はその間、 廃れきってしまった教会を掃除し続けた そしてやっと 俺がこの街に来て一ヶ月たち 「よし!!」 光り輝く十字架。 金色の鐘。 どこまでも白い壁。 雑草一つない庭。 =わあ~!きれー!= ――にゃおん。 黄色の鳥と赤い猫を携えて 俺の、牧師生活が始まったのだった―――――
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