第二章「カラドリオス祭」

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「でもおかしいな、ここは悪魔の匂いしかしねーぞ?」 「は?また匂い?」 「ああ、この路地からは人間の匂いがしないんだ。爺さんが通ったなら何かしら匂いが残ってるはずなんだが」 「...」 どうゆうことだ? お爺さんはこっちを通ってなかった? それとも道をどこかで間違ってたとか?? 「もしくは、爺さんが悪魔、とかな」 「なっそんなわけない!」 「何を根拠にそう思うんだ?」 「触れたし、無害そうだったし...」 「俺様だってお前に触れられるぞ?無害そうってのはシータとかいうあの男の件で学んだんじゃないか~?」 「う...」 確かに、悪魔は見かけを騙すことができる。 見かけで判断をしてはいけない事はわかってる、つもりだ。 でも。 孫のことを本当に想っていた。 だからこそ俺も協力したいと思えたんだ。 ネックレスの美しさがそれを表している気がする。 「・・・なんか、違う。優しそうに偽ってたシータたちとはまた違うんだ」 俺は小さな声で、つぶやいた。 あのお爺さんは悪い奴ではないと思う。ましてや悪魔だなんてありえない。そう、信じたい。何度も裏切られてるのに馬鹿だな俺は、何て思っていると。 「...はあ。ったく。わーったよ、一緒に探してやる」 「え、酒はいいのか」 「またお前が絡まれたらたまらないからな。俺様の大事なオカズは誰にも渡さねえ」 「おかっ・・・普通に守るって言えばいいだろ!変態!今度1m以上近づいたら怒るからなっ」 「そんな怒んなよ襲いたくなるじゃねーの」 「死ね!!!」 俺は奴を置いて、路地の奥に進んでいく。 しばらく暗い路地を歩いていくと どこからか 鳥のさえずりが聞こえてきた。 (こんな夜に、鳥の声?) 俺が声のする方に歩いていくと、空から白い羽が落ちてきた。 空を見上げると何かが飛んでいくのが見えた。 月にちょうどかぶって、シルエットでしか見えなかったが...あれは鳥の形をしていた。 (なんだったんだ、今の) =にいー!!ルトにい~!= 「あ、リリ!!よかった無事だったか!」 俺が空を見ていると路地の奥から可愛い声が聞こえてきた。黄色い翼を思いっきり伸ばし俺に抱きついてくる。この小さな小鳥の温かさがとても懐かしく感じた。 =あのね、あのね!おじーちゃんみつけたよ!= 「えっほんとか?」
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