8人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
携帯をポケットに入れて帰ろうと立ち上がったとき、震えるのを感じてすぐに取り出してみると、さっき入力したアドレスからの着信があった。
高村くんだ
鼓動が早くなる。気持ちの高ぶりに震えてくる手でメールを開くと
「浅井が来てくれるの?
何も出来ないなら放っておいて。
そのうち治るから…」
そうだ、何も出来ないならメールしても意味がない。
私は何をしようとしてメールしたの?
心配するだけ?
違う。力になりたかった。私のために雨に濡れて風邪を引いたのだから…
『高村くんが困っているなら、力になりたい。』
『アツシが怒るよ。彼氏でもない男のところに来ていいの?』
あっちゃんのことを考えると行ってはいけない。また彼を苦しめることになる。それが分かっているのに…
放っておけない
『力になるって約束したから。
親戚の人に頼れるの?』
『みんなしごと
ごめんもうへんじできそうにない』
最初のコメントを投稿しよう!