第1章

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携帯をポケットに入れて帰ろうと立ち上がったとき、震えるのを感じてすぐに取り出してみると、さっき入力したアドレスからの着信があった。 高村くんだ 鼓動が早くなる。気持ちの高ぶりに震えてくる手でメールを開くと 「浅井が来てくれるの? 何も出来ないなら放っておいて。 そのうち治るから…」 そうだ、何も出来ないならメールしても意味がない。 私は何をしようとしてメールしたの? 心配するだけ? 違う。力になりたかった。私のために雨に濡れて風邪を引いたのだから… 『高村くんが困っているなら、力になりたい。』 『アツシが怒るよ。彼氏でもない男のところに来ていいの?』 あっちゃんのことを考えると行ってはいけない。また彼を苦しめることになる。それが分かっているのに… 放っておけない 『力になるって約束したから。 親戚の人に頼れるの?』 『みんなしごと ごめんもうへんじできそうにない』
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