第2章

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 後で少しお説教するようだな、と考えていたらバスルームの前に来た。 「エティア、入るぞ」  脱衣場の外から声をかけても浴室にいる二人には聞こえないだろうと思いながらも、もし万が一二人が脱衣場にいたら困るので、入ることを知らせた。  返事が無いし、まだ出る頃合いでもないなと思い中に入ると、浴室のドアの向こうから二人のはしゃぐ声が聞こえてくる。 「やだ、クレアちゃん、くすぐったい」 「うわ~、本当エティアさんの胸って柔らかいですね」  エティアの笑い声と共にクレアのちょっと興奮したような声がして、カンナは何やってるんだと力が抜けた。 「袋、置いておくぞ」  気を取り直し、浴室のドア越しに二人に声をかけると声がピタッと止まった。 「あ、ありがとう、カンナくん」  カンナに声をかけられて我に返ったのか、恥ずかしそうな声でクレアが返事をしてきた。 「あまり長湯して逆上せるなよ」  それだけ言って、カンナは脱衣場を後にした。 「聞かれちゃったかな」 「別に女の子同士だもの、良いじゃない。昔はよくグレイスともお風呂入って、私もクレアちゃんと同じようなことしてたわよ」  心配ないと笑いながらエティアが答えるので、クレアは胸を撫で下ろした。
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