第2章

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 部屋に布団を2つ敷き終えて立ち上がると、カンナは苛立ったように頭をガシガシと掻いた。  エティアが言い出したら聞かないのはいつものこと、クレアも昔からの友達であるから泊まることに対しては別に不都合はない。  ただ、タイミングが悪かった。  仕事が忙しくすれ違いばかりで、一緒に夕飯を摂るのも一週間ぶりだったから正直今日くらいは二人きりで過ごしたかったが、エティアはそんなことなど微塵も思っていなかったのだろう。  それがカンナの中で燻っていたモヤモヤの原因で、それなのに当の本人はクレアと楽しそうにしているわけで…。  そう考えていると人の気も知らないで、と段々腹が立ってきた。  さて、この怒りとも嫉妬とも取れるモヤモヤをどう分からせるか…?  カンナは考えながら部屋を後にした。 「それじゃ、私シャツ取ってくるから待っててね」 「は~い」  湯船にクレアを残し、先に着替えたエティアが足早に廊下を進む。  クレアの下着はカンナに持ってきてもらったが、寝るときに着る物を用意し忘れていた。  カンナもいるので、さすがにクレアを下着姿で家の中をウロウロさせるのはまずいということで、エティアが取りに行くことに。
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