第2章

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 クレアは湯船の中で大きく息を吐いた。  エティアが寝間着を取りに行く間、湯冷めしないようにと湯船で待っているのだが、元々エティアとのお風呂で少し長湯していたので、このままだと逆上せてしまいそうだ。  もう戻って来るだろうから、上がって下着だけでも着けて待っていようかと思った時だった。 「クレアちゃん、お待たせ」  エティアの声がドアの向こうから聞こえて、クレアは返事をして立ち上がった。  着替えて廊下で待っていたエティアと合流すると、布団の敷いてある部屋へと案内された。  すると直ぐにエティアがそのまま布団に潜り込む。 「クレアちゃんも湯冷めしちゃうから、布団入って」  言葉に従い隣の布団で横になってエティアの方を見ると、何だか少し顔が赤いような気がした。 「そう言えばこの前ナタリーがね」  エティアとクレアのおしゃべりは遅くまで続いたが、エティアの口からカンナの名前が一度も出ることもなく、またカンナも二人の部屋に顔を出すことも無かった。
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