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カンナがソファに座り、タブレットに収められた写真を眺めていた。
ただ眺めていただけなのだが、いつの間にか口元が緩んでいたのだろう、
「何ニヤニヤしてるの?」
と、いきなり声をかけられて驚いて顔を上げるとクレアが立っていた。
「クレアか、お疲れ。今戻ったのか」
「うん、カンナくんはエティアさんのお迎え?」
「少し早めに来たから、終わるまで待たせてもらってる」
カンナが答えると、クレアはそのまま前の席に腰を下ろした。
ここはエティアとクレアが所属している事務所の一室。
エティアの仕事終わるまで暇だなと、先日配信サービス用に撮ったというフォトデータを見ていたところ、クレアに怪訝そうに声をかけられたのだ。
「それで、何見てたの?」
「この前二人で撮っただろう」
クレアにも見えるように、タブレットをテーブルの上に置いた。
「ああ、この時の撮影楽しかったなぁ~。これ、まだ配信前だよね?」
「カメラマンから撮ったやつ、エティアがいくつか貰ったみたいで見てたんだ」
話をしながら次々と写真を送って見ていると、一枚の写真が目に止まった。
そこにはエティアとクレアが額をくっつけて、とても楽しそうに笑うのを横から撮った写真があった。
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