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「この写真がどうかした?」
「…いや、いい顔だなって。前から思ってたけど、一人でいるときのあいつの写真ってカッコつけてるの多いけど、クレアと一緒のは笑顔っていうか楽しそうにしてるよな」
「そうかな?」
クレアが小首を傾げながら尋ねる。
「クレアと一緒の仕事だってだけで、嬉しそうだもんな」
「エティアさんが?そうなんだ、エヘヘ」
照れて頬を少し赤らめて笑うのと対照的に、カンナの表情が曇る。
「時々、羨ましいって思うときがあるんだ。あいつにとって歌は絶対で一番で…ステージも聖域みたいなところあるだろう。そこの隣にクレアは立てる。他の誰も入ることの無かった唯一の場所にお前だけが居られるわけだから」
突然のカンナの告白にクレアがキョトンとした。
「…カンナくん、もしかして私に嫉妬してる?」
「そんなんじゃない」
口では否定しているが、真っ赤になった顔では説得力など皆無だ。
「まぁカンナくんがエティアさんのこと大好きで、一緒に歌ったり仕事してる私にヤキモチ焼いちゃうのは仕方ないけど」
わざと言い直して、カンナの仏頂面を見てクスッと笑った。
「でも私だって、エティアさんのことカンナくんに負けないくらい大好きなんだよ?」
「元々エティアのファンだったんだっけ」
「そうだよ、超が付くくらい大ファンだったんだから。ううん、今も大ファン!」
そう言い切ると、うっとりとした表情で語りだした。
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