第1章

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「だって、エティアさんが聞いてないと思ったからいろいろ言ってたし、それについカンナくんにも意地悪な言い方しちゃったから…」  しどろもどろになりながら答えるクレアを、エティアが思いきり抱き締めた。 「やだ、もう、クレアちゃんってば可愛い♪」  そして抱き締められてプチパニックのクレアに追い討ちをかけるように、その頬にキスをした。 「エティア、お前何やって…」  慌ててカンナがエティアの肩を掴むと、まるでクレアを取られまいとするかのように再び腕の中に閉じ込める。 「だって、クレアちゃんがあまりにも可愛かったんだもの。キスしたくなっちゃうでしょう?」 「そうかもしれないけど、だからっていきなりするのは」 「クレアちゃん、私にされて嫌だった?」  キスをされた頬にエティアのふくよかな胸の感触を感じたまま、 二人のやりとりを見ていたクレアが頭を左右に振る。 「ほーら、問題無いじゃない」 「そうじゃなくて…」 「ねぇ、クレアちゃん。明日の予定ってどうなってる?」 「明日は収録がお昼からあって、午前中は何もないです」 「奇遇ね!私もよ。じゃあ、今日はうちに泊まりに来ない?遅くまでおしゃべりしましょ」 「良いんですか?」  パァッと表情を一段と明るくさせ、クレアがエティアを見上げた。 「もちろんよ。というわけで、カンナ、私今日はクレアちゃんと一緒に寝るからね」 「は?」 「え?」  エティアの提案に、二人同時に反応した。 「クレアちゃんが来てるんだもの、当たり前じゃない。用意よろしくね」  言い出したら聞かないのは十分過ぎるほど分かっているので、カンナは小さくため息を吐いた。  そんなカンナを見て、クレアが勝ったと言わんばかりにニヤリと笑ったのだった。
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