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「ご馳走さまでした!美味しかった~」
「やっぱり寒いときは鍋に限るわね」
テーブルの上に置かれた蟹すき鍋は空になり、カンナが片付ける為に立ち上がるとクレアもつられて立とうとした。
「カンナくん、手伝うよ」
「クレアちゃんはお客さんなんだから、そういうことしなくて良いのよ。それより、今度の収録なんだけど」
エティアに引き止められ、クレアは浮かしかけた腰を再び下ろす。
夕飯に誘ってくれたのはエティアなので、カンナ一人に全部やらせていることに気が引けたがそれに従った。
カンナといえばいつものことなので、不満も口にすることなく手際よく片していく。
淹れてもらったお気に入りだという紅茶を飲みながら、今度共演する歌番組の演出についてあれこれアイデアを出し合い、気が付くと1時間以上経過していた。
「あら、もうこんな時間?早いわね」
大きく伸びをしてから目の前のクレアにニッコリ微笑む。
「それじゃクレアちゃん、お風呂行くわよ」
「え?一緒に入るんですか?」
「そうよ、せっかくお泊まりに来てるんだもの」
嬉しそうに誘うエティアに恥ずかしいからという理由で断ることもできず、クレアは半ば強引にバスルームに連れて行かれる。
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