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クルスは少しほっとした。ハンナ家に何かあったわけではなさそうだ。
卒院してからあまり連絡を取らなかったが、女学院時代、クルスとカレンは仲が良く、よくお互いの家に遊びに行ったりしていた。
その時に、クルスはカレンの両親にも会っていた。
あの父親が自分の危機に娘を他所にやるわけはない。
「それで、先輩は」
「カレンとお呼びください。あなたとわたくしが同じ学校にいたことを決して知られてはいけません」
「はい。……カレン。これからよろしくお願いします」
「はい、お嬢様」
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