プロローグ

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おはようございます。 本日付けでクルスお嬢様付きの使用人になりました、カレンでございます。 優雅に膝を折った少女に、クルスは目を瞬かせた。 それは自分の女学院時代の先輩、ハンナ・カレンだったからだ。 「カレン先輩・・・?」 「そのようなことは仰らないでくださいませ」 カレンは慌てた。クルスはなぜカレンがここにいるのかが理解できなかった。 ハンナ家といえば、クルスの家など遠く及ばない、大貴族である。 「わたくしにも父上の考えはよくわかりません。しかし父上の命令は絶対なのです」 クルスの疑問を読み取ったかのようにカレンは答えた。その顔が少し寂しそうだったことに、クルスは気づかなかった。
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