ー刃血ー

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***** 頬に激痛が走る。まさかあの状態で動けるとは思ってもみなかった。 「……化け物だなぁ。」 人間の底力を体現してくれた君には本当に申し訳がない。おそらく俺に武器がなかったら、勝ってただろうに。 ーーーあくまで可能性の話だが。 鴉間は口角を曲げながら、蓼傍の髪を掴み、上体をゆっくりと起こした。 右目に刺さっている刀をゆっくりと引き抜くが、どうやら本当に死んでしまったらしく反応がない。当たり前なのだが。 「………逃げられちゃったかぁ。」 いつの間にか佐々木響我が姿を消していることに気づくと、深く溜め息を吐く。そして刀に付着していた血を制服の袖で拭き取った。
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