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真実に気づいた“彼”と鴉間颯が消えた今、僕の邪魔をする者は誰もいない。
おそらく、9割9分の生徒は死神の手により殺されただろう。それでいい。動きやすいことに越したことはない。
潜神山高校の生徒よ眠れ。僕は先へ進む。君達の死を無駄にしないためにも。
ザクリ…鈍い音が腹部を通じて、伝わってくる。僕は軽く視線を落として、自身の腹部を見つめた。
「……ああっ………。」
腹部が槍により貫かれている。赤くべっとりとした液体が槍の先端に付いており、僕はひどく動揺した。
「飛田……なん、で?」
槍を握り締めていたのは飛田だった。足音も聞こえなかったのがおかしいと思うと彼は裸足だった。
「…お前が、みんなを殺したんだ!葉桜さんや渚さん、夢田を!!」
いつもは大人しい飛田が、ここまで感情を表に出して、僕は珍しいと感じた。人間、極限状態になると普段見せない一面を見せるのだと学習する。
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