197人が本棚に入れています
本棚に追加
だが、飛田は致命的なミスを犯した。それは、心臓をひと突きしなかったことだ。
いくら不老不死に近い体を持っているとはいえ、心臓にダメージが与えられれば、一定期間は動けない。
まぁ、死ぬことにないのは変わりないのだが。
「………いつから、気づいてた?」
「僕は陰でずっと君を見てた。葉桜さん達と合流した時に教室にいるのを見かけてね。」
飛田はどうやらその後、葉桜が死神に首を切られるところを見たらしく、僕の動向を窺っていたらしい。
「何で葉桜が死んだから、僕を疑うんだ?」
「葉桜さんはお前と渚さんといる時は死神に殺されなかった。死神も、お前がいる間は教室に入ろうとしなかった。」
なるほどな。確かに死神は僕がいる場所は極力避ける習性がある。あくまで極力だが、そこが仇となったか。
「何故、初めから僕を殺そうとしなかった?」
腹を貫かれてる為、声を出す度に激痛が襲うが、今は我慢するしかない。
最初のコメントを投稿しよう!