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「星田さん……その見た目は……。」
愛しい存在である佐々木の声が僅かに悲しみを帯びていて、星田は疑問に思った。
自分には現状を確かめられる視力がもうない。故に願いを叶えた代償として、自分がどうなったか分からないのだ。
「……ごめん。目が、見えないから、どうなってるか分からない。」
「なんで?手術は前々から終わらせてたんでしょ?」
おそらく佐々木は網膜剥離のことを言っている。そう悟った星田は首を軽く振った。
「知ってるでしょ?ここの都市伝説、願いを叶えたら、代償として何かを失う。」
視力と体の自由を失った自分だが、見た目にも影響しているなら、相当なものを失っている。唯一の救いは話せる点か。
「そうか。」
星田は佐々木の返事に違和感を感じた。それは次第に恐怖に変わり、ヒステリックな悲鳴をあげた。
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