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黒の美しい髪をしていた星田は銀色の白髪に染まり、肌は死人のように青白くなっていた。
だが、彼女の頭から噴き出た血の色は赤く、少し期待外れだった。
これで血の色が青なり緑だったら、とても面白かったのだが。
「さようなら。綺麗な人よ。」
彼女の髪は赤と白でどこか芸術作品のように感じた。本当に美しい人は死んでも綺麗なのだと僕は思った。
携帯の画面を開くと、残り時間は「00:03」と表示されていた。ようやく長い夢から覚めるのだと思うと、少し寂しさを感じる。
「ちょっと呆気なかったかな?」
どんなに結末が呆気なかったとしても、それが僕の紡いだ物語だ。後で何と言われようと、それは変えようのない真実。
「さて、そろそろ下校の時間だ。」
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