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だけど、そう願ってみても、彼の姿を見つける事はできなかった。
現実はそんなドラマチックにはできていないらしい。
連絡先も知らないし、会えるはずもない。
当たり前だけど、何だかショックだった。
酔っ払いも多い駅前にいつまでも一人で居ても仕方ない。
トボトボと歩いて帰ると、エアコンを切るのも忘れて飛び出したせいで、部屋は温かった。
籠った空気が何だか無償に嫌で、ベランダの窓を開けて、煙草を吸った。
これから、どうしよう。
黒沢さんは何もしてないし、私を好きな訳でもないのに。
どういう訳か、私は彼を意識せずにはいられないようだ。
まだ、好きだなんて明確な言葉にはしたくないけど。
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