あらすじ

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坂田弘明のひとり娘、喜美恵が子どもの頃に弾いていたピアノは、誰も弾かなくなってからもずっと居間にあった。 弘明の妻、悦子は離婚を考えていた。 定年を目前にして弘明は余命一年を宣告される。 家族のために働き続けてきた人生を思い運命を呪う弘明。 離婚を考え直す悦子。 弘明の下に孫、愛を連れて帰ってきた喜美恵。 弘明は長いようで短かった会社人生を振り返る。 喜美恵は家を出てから愛を産み、最初の夫と別れ、次の夫の死と出会った事を振り返る。 喜美恵がピアノをやめた理由、ずっと言えなかった本当の理由を弘明に話す。 弘明が働いていた工場の閉鎖をめぐる争議と、会社から働きかけられ組合潰しの動きに加わった弘明。 工場の従業員の町だった。工場が無くなることで町から出て行かざるを得なくなった従業員たちがいた。その子ども達も。 喜美恵の中学でも生徒が減った。組合潰しに参加したものを悪し様に言うものもいた。 喜美恵の通っていたピアノ教室は喜美恵以外誰もいなくなってしまった。 過去のことを言えた喜美恵の心のわだかまりが少しずつほぐれていく。 愛はピアノ発表会を迎えると言っていた。 倒れた弘明の病室で、もう一度ピアノをやめた理由を考える喜美恵。あの頃あった色んなことが甦る。 喜美恵の話を聞きながら自分の人生を思う弘明。家族のためにと言いながらやりたいこともあったはずだ。 喜美恵のピアノが好きだったと言う弘明。 弘明はずっと自分でピアノが弾きたかったことに気がつく。 一緒に弾こうと言う喜美恵。 発表会は愛と連弾するのよ、と言う喜美恵。 疲れ果て、一眠りする弘明。
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