第1章

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ホテルの部屋に入ると、その場で強引に唇を奪われた。 靴を脱ぐ事もせずに、言葉も無く、塞がれる。 初めは軽く。 優しい、触れるだけのキス。 物足りなさを感じていれば、唇の形を捉える様に、軽く舌で輪郭をなぞられる。 甘くじれったいその感覚に、少しだけ開いた口。 すると、その隙間をこじ開けるように舌が入りこんでくる。 少しずつ深くなり、無遠慮に口の中を動き回る。 歯列をなぞり、 全てを味わうように。 呼吸すら許さない。 貪るような口付け。
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