第1章

5/18
前へ
/36ページ
次へ
長い前髪をかきあげて、煙草に火をつける。 心を落ち着かせるように、一息吸いこむ。 「俺にも…火、くれよ」 隣を見れば、黒沢さんは煙草を一本。 既に口に咥えていたので、ライターだけ差し出した。 「こっちでいいよ」 私の吸う煙草の先に、 黒沢さんが口に含んだ 煙草の先が、 そっと、触れた。 近すぎる距離と、 綺麗すぎる肌と、 伏し目がちな長い睫毛に、 ドキドキした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加