第1章

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「何でも何も無いだろ。別に。」 「だって…この一週間、何もしてこなかったじゃないですか。」 そう呟けば、隣で黒沢さんは鼻で笑う。 ちょっと、ムッとして、ようやく顔を見ると、また意地悪に微笑む。 そして、持っていた煙草を、先ほどの私と同じように灰皿に擦りつけた。 「何かしてほしかったのか?」 「ち、違います!」 「一週間、思いっきり意識してたもんな」 「じ、自意識過剰なんじゃないですか?」 「俺を視界にいれては、そわそわしてさ」 「……そわそわなんか、して無いです」 「すげぇ、可愛かった。」 「え?」
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