第1章

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喜んじゃダメ。 可愛い、なんて言われて浮かれてちゃダメ。 最近めっきり可愛いなんて言われなくなってきたから、正直嬉しいけど。 喜んじゃ、ダメなんだ。 だけど、どうしても緩む頬を抑えられない。 低い抑揚のない声は、嘘では無いように聞こえてしまう。 甘い響きに胸がときめく。 そんな私に、黒沢さんはニヤッて意地悪に笑って、続けた。 「………すげぇ、可愛かったから、苛めたくなった。」 「なっ……」 ムカつくのに! 苛めたくなったって何よ! って思うのに。 まるで大魔王のように、ニヤニヤ笑う。 その顔すらもカッコよくて、ドキドキする。
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