たった一度の甘い囁き

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「お前は、俺の事、好きなんだよ」 左耳に届く、低くて甘い声。 自信たっぷりな、その声を否定したいけど、否定できない。 もう囚われていたんだ。 泣いて、縋ったあの夜から。 きっと、最初から、恋だった。 何も言わない私に、彼は追いうちをかけるように、甘く囁く。 「なぁ…、抱きたい。」 低い響きに、お腹の奥の方がキュンとする。 好きだ、と一度思ってしまったら、止まらない。 会いたくて、 会いたくて、 顔が見たくてたまらない。
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