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始業時間になり私はグループの前に出た。
ふた月に1回くらい回ってくる朝礼当番がなんと憂鬱なことか。
50人近くいるメンバーを前に、
視線をどこに向けていいのかいつも迷う。
でも、
せめて大きな声と笑顔だけはかかさずにいよう、
と思っているせいか、
私は意外と人前に強いと思われているらしい。
「何か周知事項はありますか。」
「では私から、――」
いつもの流れで部長の長い朝礼のひとことが始まった。
そのとき、
なんとなく視線を感じて目を向けると、鈴木君と目が合った。
確かに目は合った。
でもすぐ逸らされる。
たったこれだけのことなのに違和感を感じるのは
この1回に限ったことではないからだ。
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