そして一週間が始まる。

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放課後の屋上にはまだ誰もいなかった。 嬉しくて早めに来たと勘違いされるのも嫌だったから、HR後結構時間を空けてきたつもりだったのだがそうではなかったらしい。 適当にそのあたりに座って暇つぶしとパズルゲームをやっていたのだが、あっという間にAPが尽きてしまった。 他のゲームをする気も起きず、俺はもう一度手紙を見つめた。 …間違いなく俺宛。 昨日帰る時には入ってなかったから、間違いなく今日の放課後のはず。   それにしても、誰が書いたんだろう、これ。 先生の字みたいな、達筆ではないけれど上品できれいな字。 “あの人”の字に似てる。 「あ…」   そんなふうに考えていると、突然扉が開いた。 一瞬手紙の子かと思ったが、現れたのは同じクラスのあまり絡んだことのない男だった。 確か名前は……高橋。 下の名前はなんか女みたいな名前だった気がする。   こんな時に気まずいなぁと思っていると、なぜか高橋が俺のとこまで歩いてきた。
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