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「葉月くん…」
「え、あ、はいっ」
突然名前を呼ばれて驚いた俺は間抜けな返事しかできなかった。
高橋は教室の隅っこでひとりでいるようなおとなしい奴だったから、まさか今話しかけられるとは思わなかった。
真正面に立った高橋は小さかった。
俺が身長180センチとまあまあでかいせいなのかもしれないけど、平均身長はあるはずの高橋は猫背になって両手をもじもじさせながら口許にあてている。
女みたいな名前とキレイな顔でからかわれていただけあって、こうして改めて見ると本当美少年って感じ。
下手したら女の子にも見えなくもない。
伏せた睫が長くてできた影を見つめながら、すっぴんで睫の陰できるなんてあるんだと感心していると、急にこちらを見上げた高橋と目があった。
その目に違和感を覚えた時。
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