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それから一月ほどして、ガレは殺され屋の仕事に復帰した。
変装のクオリティーの高さはあいかわらずだった。
変わったのは、言葉づかいと、普段は変装をしないこと、つまり、女らしくなったことくらいだ。
｢蓮、これでどうかな？｣
中肉中背、茶髪の男のなりをしたガレが、変装のできを蓮にたずねてくる。
｢完璧です｣
そう言って蓮はガレに笑顔をむける。
本当は、笑っていられないほど落ち込んでいた。
ガレは、標本にされかけた時より以前の記憶を全く失っていた。
脳が薬品の毒素でやられてしまったからだ。
今後、記憶が回復する可能性もゼロに近かった。
とてもつらい。
でも、ガレは、もっとつらい思いをしているだろう。
そう思って、蓮は、不器用なりに、ガレに気をつかっていた。
それが余計にガレに気を使わせることも分かっていたが、蓮にはそうするよりほかになかった。
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