虚偽と真実

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くずだと言われてへらへらしながら、内心では怒りの炎で身を焦がし、恨みつらみという毒を身の内に宿し、その毒を、怒りにまかせて周りにまきちらす。 ガレの身をおかした毒は、目に見えるものばかりではなく、蓮が身勝手に放った、見えない何かだったかもしれない。 自分は結局、自分のことしか考えていなかった。 自分は、ガレを尊敬している風を装って支えになれればいいと思い、その上、ガレに道を示せるのではないかとさえ思いこんでいた。 支えになってくれていたのも、道を示してくれていたのも、ガレの方だったのに。 それを今さら気づくなんて、自分は、何て愚かなんだろう。 愚かだと思うだけで、何もしていない。 何もする気がない。 変わる気もない。 そんな自分を知ったら、ガレは、どんな顔をするだろう。 そう思うと、蓮は、ガレを以前のように正面から見られないでいた。 近くにいるだけで胸のあたりがずきずきといたむ。 仕事を降りるべきか――。 しかし、それすらも逃げのような気がする。 前進することも後退することもできず、蓮は頭をかかえた。
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