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しかし、蓮の心配は、当たってしまった。
都内のビルで、ガレがされたような形で遺棄された女性の遺体が発見されたのだ。
そのデータが、三島から送られてくる。
「一体どうなってるの…?」
ガレは、遺体となって発見された女性を救えなかったことに悔しさと悲しみを感じていた。
「私を殺した犯人は、確かにあの男、川島幸治だった。しっかり顔を見たし、体の特徴も、そのままだった。私が犯人に抵抗した時爪で削りとった皮膚片も、川島のものだった。今回おこった事件は、模倣犯にしては、細かなくせが川島ににすぎてる。別人が犯人だとは思えないけど、川島は拘置されているし…」
そう言ってガレは、ふと何かに気づいて、思慮にふけるようにおしだまる。
「川島幸治がもう一人いるのかもしれない」
「それは、どういうことですか?」
「"花園計画"が関係しているかも…」
「え?」
蓮は、疑問符をなげかけたが、すぐにガレの言わんとしていることを悟り、険しい顔でガレをみやる。
「私みたいに、川島幸治の体の一部から人型に再生した何者かが真の犯人なのか、あるいは、捕まった川島は本体ではなく、本体は今もどこかにひそんでいて、殺人をくりかえしているのか…」
ガレはそう言っておしだまり、思慮にふける。
「警察に連絡しますか?」
「いえ。そんなことを言っても、とりあってもらえないか、パニックになるかよ。とにかく殺人をとめなくちゃ。"聞き込み"にいくわよ」
「はい」
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