虚偽と真実

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「どちらまでいかれますか?」 蓮が、息を切らせながら、東京駅まで、と言おうとすると、タクシーの運転手が、「我等が王よ」、と言って頭をたれる。 蓮は、吐き気をもよおし、タクシーを出て、胃の中のものをすべて吐き出すと、ふらふらと数歩歩き、その場に倒れこんでしまった。 だんだんと遠退いていく意識の中、蓮は、だれかに抱き上げられる感覚がし、そのまま気を失った。
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