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蓮が気がつくと、その身は、ガレの泊まっているホテルの一室にあった。
「大丈夫?蓮?」
蓮がおびえた顔でガレをみやると、ガレは、どうかしたの、と怪訝な顔をした。
ガレは、何も知らないようだった。
「俺、どうしてここに…」
「三島さんが運んでくれたのよ。色々あって倒れちゃったから、看病してくれって」
「色々って、何か聞いたんですか?」
蓮が恐る恐る尋ねると、ガレは、それはきいてないけど、と言っていたわる表情をした。
「そう。ならいいんです…」
「元気ないね、何か食べる?」
そう言ってガレがフロントに電話しようとするので、蓮はそれを止めて言った。
「今までの疲れが出たみたいで…。しばらくここで寝泊まりしていいですか?」
「構わないけれど…。その顔色だと、記録係も、しばらく休んだ方がよさそうね。事件は、何とか私一人で解決するから、安心して。横浜の遊園地には誰も現れなかったそうね。私の勘違いだったのかも…ごめんね」
「いえ…」
蓮がそう言って目をつむると、ガレは"聞き込み"に行ってくると言って部屋をでた。
なくした記憶があるという恐怖。
ガレも同じ思いをしているのだろうか…?
蓮は思慮の淵に沈み、そのまま寝入ってしまった。
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