離別と旅立ち

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1月末、ガレは、"聞き込み"から導きだした、殺人のターゲットになりすまし、その自宅に潜入した。 ターゲットとなる予定の人物は、鹿島里奈(かしまりな)という名の、31歳の主婦、殺人犯と目されたのは、その夫、鹿島卓治(かしまたくじ)、33歳だった。 蓮が、ガレが家中に設置した隠しカメラの映像をホテルの一室でチェックしていると、潜入から一週間ほどで、事件はおきた。 鹿嶋里奈に扮したガレは、卓治と、卓治が呼び寄せた二人の男によってなぶり殺された。 殴る蹴る、刺す。 ガレは、迫真の演技で、命ごいする里奈を演じる。 いや、演技ではないかもしれない。 蓮は、目や耳をおおいたくなったが、それは逃げだと思い、泣きたいのをおさえて、隠しカメラの映像を書類にも記録する。 ガレが息絶えたのを確認した卓治と二人の男たちは、家を出る。 そこへ、蓮が呼んだ警察が到着し、三人を現行犯逮捕した。 その時、蓮のもとを三島がたずねてきた。
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