狂愛と友愛

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翌日、蓮は退院の手続きをすませ、ガレのもとに向かう。 隅田診療所という、小さい病院だった。 看護師の案内で、蓮は、ガレの病室に入る。 「だれ?」 ガレが問う。 その姿は、死に別れた時の白菊そのものだ。 違っていたのは、その髪が、白いこと。 「卯野蓮です。覚えていますか?」 「知らない」 そう言ってガレはふいとそっぽをむき、近くの窓から外をみやる。 「あなたは、ガレさん、ですよね?」 「そうらしいですね。よく来てくれる男の方がそう呼びます」 三島のことだろう。 「ガレさん、自分のこと、知りたいですか?」 蓮がうつむきながらそう問うと、ガレは、きょとんとした顔をしながらも、うん、と返事をした。 蓮のほほを涙が一筋伝う。 それをみたガレは、何か悪いことでも言ったかと、困惑した顔をする。
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