プロローグ

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「へー! 浮いてる! すごいね!」  クレオは、子供のように、はしゃいだ。 『ありがとうございます。クレオ、アトランティスに降ります。少々衝撃があるかと』 「わかったわ! がんばって!」 「姫様、あ、いえ、クレオ、つかまって」  マルクスが右腕をクレオに差し出した。 「うん、ありがとう、マルクス」  しかしクレオは、マルクスの鍛え上げられた腹に抱きついた。マルクスは、上を向くばかりであった。黄金のピラミッドと、黄金のスフィンクスが、浮上して海面に浮いているアトランティスに降り立つ。 『ドォォォォォーーーン!』 「ふうーー! ちょっと怖かったけど、いい景色だったよ」  クレオは軽く口を尖らせたが、ホッとした表情に変わった。 『それでは、さっきの場所の修復を行います』 「あ! 壊れちゃったものとかもあるだろうから、ちょっとだけお詫びしておてくれる? 金貨10枚くらいでいいわ。金貨って、どれくらい持ってるの?」 『数えたことはありませんが、一億枚ほどはございます』 「じゃ、それぞれの家に、20枚でいいわ。あげ過ぎるものもったいないからね。マルクス、金貨一枚で、いくらと換金できたの?」 「はい、日本のお金で20万円でした。希少価値とやらもありましたので」 「そうだったんだ! あ! スフィンクス! やっぱり10枚ずつでいいわ! あまり流通されると、値打ちが下がっちゃうもの」  クレオは目尻を下げ、困ったような顔をして言った。 『かしこまりました。では、そのように』
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