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『ドォォォォォォォォォォォ――――ン!!!』
ああああああああ―――っ!!!
すごく揺れてる!
助けてぇーー!!
あ、開いた。
よかったぁー!
やっと自由になれたよぉー…
ふぅー、怖かったっ!
この家は、なんとか、壊れなかったみたいね。
でも、窓を開けたいけど、わたしじゃ、できないよ。
ドアも閉まってるし。
ご主人に、文句言わなきゃ!
プンプン!!
砂ぼこりがすごいよ。
あ、また、金色に光ってるね。
あ、あれって!
スフィンクスゥー?!
写真で見た時は、顔はなかったけど、これにはあるよね?
それに、金色?
黄金で出来ているのかな?
キャッ!
目が…
目が開いたよぉ!!
こわ―――いっ!!
ん?
風の音?
窓が、ガタガタ揺れてるけど。
あ、止まった。
『フォッ!! バァ―――――ンッ!!!』
キャ―――ッ!!
…え、なんともないよ。
あれ、窓ごとなくなってるよ。
修理代、払えるのかなぁ~…
ご主人様、浪費家だから。
なんか、怖いよ。
今のうちに逃げようかな?
でも、高過ぎるって!
ここ、5階だもん!
いくら猫のわたしでも無理だよ!
『失礼いたしました』
え?
誰?
すごく低い声。
男性のような。
はっきりとゆっくりと…
『わたくし、スフィンクスでございます』
誰に言ってるの?
『貴方様にしか聞こえておりません』
わたしだけ?
ところで、エジプトから引っ越してきたの?
『はい、同じようなことでございます』
へー、そうなんだ。
あ、悪いんだけど、地面に降りたいんだけど…
どうにかできないかな?
『はい、お安いこ用で。少々、目を閉じてくださいませ。砂ぼこりが立ちますので』
目を閉じた。
『もう開けて頂いともよろしいです』
開けてみると…
空、飛んでるよね?
飛んでるよねえええええ―――――っ!!!
『大丈夫でございます。申し訳ございまさんが、貴方様を見下ろすことは、わたくしにはできません。少々お待ちを』
また砂ぼこりがたった。
そして、階段状に積み上がって。
結局、さっきと同じ高さまで伸びちゃった。
でも、地面とつながってるので、安心だわ。
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