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この広間の中央に、宝箱が15個並んでいる。
「この宝箱は?」
『開けてみるがよい』
紅葉は、息を呑み、開けた。クレオパトラ金貨の山だった。紅葉は、卒倒しそうになった。
『それらは、最近作ったものだ。キンを何かの形に変えたくてな。やはり、姫様のモチーフが最適だろうと判断したのだ』
「そうだな、キンの価値だけでも、一枚がこの重さなら、5万円は下らない」
「一枚、20万円で売れました」
マルクスが言った。
「いや、希少価値とか歴史上の資料としてなら、100万は出すんじゃねーか」
「でも、1000枚ほど配っちゃったから、たぶんそんな価値はもうないよ」
クレオが言った。
「えー! 配っちまった?! あ、なんか言ってたな。一旦家が消えて、いきなり元に戻ったって。ピラミッドとスフィンクスの話は、かなり広まっていたがな」
「うん、おうちの中とか、ひどいことになってると思って、お詫びに10枚ずつ」
「そうか、でも、これだけあると、金の価値も下がるよな。あんまり使わない方がいいんじゃねーか」
「うん!そう想ってね! 本当は20枚にしようかと想ったけど、
10枚にしたんだ!」
「クレオ!お前、やっぱすげーな! いや、5枚でよかったんじゃねーか?」
みんなで、大いに笑った。
「スフィンクス! これの原盤とか、その当時のものはねーのか?」
『原盤はない。その当時の金貨なら、お主の後ろにある、小さな箱に収めている』
紅葉は、振り向き、「これか?」といった。開けてみた。数は少ないのだが、それでも、100枚ほどはある。少しくすんではいるが、金のようだった。紅葉はハンカチを取り出し、一枚手にとってみた。
「おー! 感激だ! これって、二千年前のものだよな!」
『そうだ』
紅葉は、金貨を元に戻した。
『お主、欲はないのか? 普通なら欲しいと思うが』
「いいや、こういう歴史的価値があるものは、見るだけで十分だ。ここに来れば、また見せてくれるんだろ?」
『ああ、見にくれば良い』
「あたしの興味は、そっちのレプリカの方だ。100枚ほど持って帰っていいか?」
みんなは呆れてしまった。
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