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アトランティスで発見!
「スフィンクス、おまえ、自分で世界をぶっ壊してやりたいと、想ったことねーのか?」
『理由がないので、そのようなことは想わぬ』
「そりゃそうか」
クレオパトラに作られたものなので、人類の敵となるか、味方になるのか、クレオパトラの考え次第なのである。
「クレオはなにかやりたいこととかってないのか?」
「んー、クレハさんが知りたいことを知ってみたい!」
目をキラキラさせて、クレオが言った。
「おまえ…」
紅葉は、クレオを抱きしめた。スフィンクスも、マルクスもなにも言わなかった。
「じゃ、クレオ、世界をぶっ潰してくれ!」
「え? なんで?」
実は紅葉は、クレオを試したのだ。もし自分の言うことにそのまま従ったら、ミケと紅葉の主従関係のままだと想ったからだ。クレオは理由を聞こうとした。たぶん、主従関係は消え去ってしまったのだろう。
「面白そうだからやってもいいよ!」
クレオは平気な顔で言う。
「おい! 冗談だ! 頼むからしないでくれ!」
紅葉は驚いた。もう変な冗談をいうのはよそう、と思った。
「それじゃ、今日はアトランティスの上空から偵察に行こう!」
「うん! 楽しみだねっ!」
「あ、スフィンクス。飛んで行くのって、エネルギーどれくらい使うんだ?」
『計算したことはないが、吸収する5分で、このアトランティスを一周できる』
「じゃ、能力を使いながらも吸収できるのか?」
『今は常にやっておる。特に危険はなさそうだからな』
「あたしの家の近所に現れた時は、相当使ったんじゃねーの?」
『あれだと、一日分だな』
「それじゃ、3人で飛んでも、それほど貯蓄量には影響ないんだな?」
『ああ、ほとんどないな。休憩でもしてくれたら、その時間で元に戻る』
「わかった、ありがとう!」
『いや。我を気遣ってくれているのか?』
「それもある。クレオのためでもあるからな!」
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