アトランティスで発見!

6/6
前へ
/108ページ
次へ
 夕暮れが近づいたので、今日の調査は終わることにした。採掘したものは、全て家の中に入れた。今は写真の整理と書き物に追われている。その時のことは、今やっておかないと、忘れてしまうことがある。覚えているものを全部書きだした。そうしておくと、忘れ難いものなのだ。 「クレハさん、ごはん、しない?」  クレオが部屋に入ってきた。 「うん! あー! やっと終わったぁー! 腹減ったな? なに食べる?」 「お弁当買ってきたよ!」  ちょっとそこのコンビニへ! のノリで言っているのだが、今、アトランティスは、いろいろな計算の上、航路・空路として使われていない場所にいる。日本からは、500キロほど離れてしまった。そして、スフィンクスの力で、この大陸全体に、シールドと擬態幕を張り巡らせた。シールドに、生物以外が近づくと、感知できるようになっている。海上からは、300メートル。海面からは、人力では上がって来られない。 「時間、かかったろ?」 「でも、往復で一時間くらいだよ」 「ジェット機並みだな」 「気持ちよかったよ!」 「ああ! そうだろうな!」 「あ、おうちにある道具って、これでいいんだよね?」 「お! 持ってきてくれたのか! うん、これだけあれば問題ない。ありがとな!」  3人は、食事にした。アトランティスの大地の上で。スフィンクスが篝火を焚いた。 「おいおい! ひとり何個食うんだ?」 「安売りしてたの!」  クレオが機嫌よく言った。 「まぁ、いいんだけど…」 と、言いながら、10個あった弁当の5個を、紅葉が食べた。 「今日は動いたからな、ハラ減ってたよ」  クレオは、元ご主人様のことはよく知っている。動くよりも、頭を動かしている時の方が、食欲が湧くのだ。なので、多めに買ってきたのだが、大量の弁当を半分も食べてしまうとは思わなかったようだ。 「あー! 食ったなぁー! わりい、先に寝るわ、今日はおつかれー!」  クレオは、マルクスと顔を見合わせて笑った。 「君の元ご主人は、ステキな人だな」 「うん、そうね」 といって、ふたりはいい雰囲気になっていた。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加