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夕暮れが近づいたので、今日の調査は終わることにした。採掘したものは、全て家の中に入れた。今は写真の整理と書き物に追われている。その時のことは、今やっておかないと、忘れてしまうことがある。覚えているものを全部書きだした。そうしておくと、忘れ難いものなのだ。
「クレハさん、ごはん、しない?」
クレオが部屋に入ってきた。
「うん! あー! やっと終わったぁー! 腹減ったな? なに食べる?」
「お弁当買ってきたよ!」
ちょっとそこのコンビニへ! のノリで言っているのだが、今、アトランティスは、いろいろな計算の上、航路・空路として使われていない場所にいる。日本からは、500キロほど離れてしまった。そして、スフィンクスの力で、この大陸全体に、シールドと擬態幕を張り巡らせた。シールドに、生物以外が近づくと、感知できるようになっている。海上からは、300メートル。海面からは、人力では上がって来られない。
「時間、かかったろ?」
「でも、往復で一時間くらいだよ」
「ジェット機並みだな」
「気持ちよかったよ!」
「ああ! そうだろうな!」
「あ、おうちにある道具って、これでいいんだよね?」
「お! 持ってきてくれたのか! うん、これだけあれば問題ない。ありがとな!」
3人は、食事にした。アトランティスの大地の上で。スフィンクスが篝火を焚いた。
「おいおい! ひとり何個食うんだ?」
「安売りしてたの!」
クレオが機嫌よく言った。
「まぁ、いいんだけど…」
と、言いながら、10個あった弁当の5個を、紅葉が食べた。
「今日は動いたからな、ハラ減ってたよ」
クレオは、元ご主人様のことはよく知っている。動くよりも、頭を動かしている時の方が、食欲が湧くのだ。なので、多めに買ってきたのだが、大量の弁当を半分も食べてしまうとは思わなかったようだ。
「あー! 食ったなぁー! わりい、先に寝るわ、今日はおつかれー!」
クレオは、マルクスと顔を見合わせて笑った。
「君の元ご主人は、ステキな人だな」
「うん、そうね」
といって、ふたりはいい雰囲気になっていた。
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